排卵前になると子宮頚管では粘液が増えて、膣の中に射精された精子が子宮の中に入っていきやすくなります。
しかし、子宮頚管に炎症があったり、粘液の中に精子を攻撃する抗体があったりすると、精子は子宮を通って、卵管内を遡上することができなくなってしまいます。
こういったことが起こっていないかどうかを調べるのがヒューナーテストです。
性交後の膣内粘液や頚管粘液、子宮内液を採取して顕微鏡で詳しく観察し、精子の数や運動率を確認するとともに、頚管粘液の酸性度、量が少なくないか、粘度が強くないか、抗精子抗体がないかなどを調べます。
この検査は精子の状態や女性の体調に大きく左右されるために、1回しただけでは正しい判断をすることが難しく、2~3回検査を続けることで総合的に判断されることが多い検査の1つとなります。
ヒューナーテストで多数の運動性精子が確認できると、高い確率の妊娠率が期待できるようになります。(400倍視野当たりの運動精子数で判定)
判定基準 | 優 | 良 | 可 | 不良 |
---|---|---|---|---|
運動精子数 | 15個以上 | 10~14個 | 5~9個 | 4個以下 |
この検査をすることによって、子宮内に精子が遡上できる環境が整っているかどうかを知ることが 出来ます。
【精液検査で精子の数や運動率に異常がない場合】
ヒューナーテストで子宮頚管粘液の中に精子が見つからない、あるいは精子はいるけれどもほとんど運動していない場合には頸管粘液に精子を攻撃する物質が含まれている可能性があります。
このような場合には抗精子抗体の検査が必要になります。
また、精子が子宮内に遡上できない理由としては頚管粘液の性状がよくないこと、精子の生命力が乏しく、子宮頚管を通過できないことなどが考えられ、子宮頚管炎などの可能性があります。
【ヒューナーテスト結果が不良での場合】
大部分が不動精子の場合・不動精子しか確認できない場合は抗精子抗体の存在が疑われます。
抗精子抗体とは、精子の運動能力を落とし停止させてしまう抗体です(免疫性不妊)。