人工授精とは、タイミング療法を行っても自然妊娠しない場合のステップアップとして人の手を介して、採取した精子を直接子宮に送り込む方法です。
人工授精はタイミング療法しても、なかなか妊娠できない場合や、女性側に抗精子抗体や子宮頚管粘液不全がある場合、男性側の精子の数や運動率がよくない場合に行なわれます。
タイミング療法と同様に、基礎体温や超音波検査などから排卵日を予測したり、クロミッドなどの排卵誘発剤や排卵を起こさせるhCGなどを使って人工的に排卵を促したりします。
人工授精を行う際には男性側は、実施日の4~7日間は禁欲し出来るだけ質がよく、濃度の濃い精子になるようにします。
① 精液の採取 | 精液は、出来る限り時間が経過していない物が良いので、 病院へ行って採取するのが望ましいです。 (採取の目安は、2時間以内) |
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② 精液を濃縮 | 通常、精液をそのまま子宮腔内に注入することはなく、精子を濃縮し、運動が良好な精子を抽出します。同時に精液に混じった細菌や赤血球や白血球も取り除き洗浄します。 |
③ 子宮腔内に直接注入 | 濃縮した精液lをやわらかいチューブに入れ、子宮の内腔に注入します。この注入に要する時間は数分です。 その間、痛みなどの苦痛は特にありません。 |
女性は、内診台の上に乗り、洗浄・濃縮した精子を専用の注射器で子宮内に送り込みます。
注入後は、そのまま15~30分ほど安静にします。
その後は、普通に生活をして構いませんが、処置の際に微細な傷がついていることもあるので、
病院によっては抗生物質などを処方して、感染症の予防を行うこともあります。
人工授精によって高熱が出たり、下腹部痛がするような場合は、炎症などの可能性もありますので、医師に連絡して指示を受けるようにしましょう。